片付けお役立ちコラム
片付けに関するお役立ち情報を更新いたします。
冷凍食品の保冷剤やギフトに使われることが多いドライアイス。使い切れずに残ってしまったとき、「どう捨てればいいのか分からない」と迷う方も多いのではないでしょうか。
誤った方法で処理すると、爆発や火傷の危険もあり、正しい知識が必要です。本記事では、ドライアイスの捨て方を中心に、処理時の注意点ややってはいけないこと、自治体ルールとの関係などを詳しく解説します。
目次
ドライアイスは固体の二酸化炭素で、小さな状態でも可燃・不燃ごみとして出すことはできません。家庭では屋外や換気の良い場所で自然に昇華(気化)させるのが基本です。大量に処理したい場合は水を張った容器に少しずつ投入しながら気化を促す方法もありますが、換気を十分に行い安全に注意しながら行ってください。
ドライアイスは固体の二酸化炭素で、加圧や加温によって気体に戻ると体積が約750倍に膨張します。そのためごみ袋に入れてフタを閉じたり収集日に出すと、ガス発生によって袋や車両が破裂し、収集作業員を含む人や車体に危険が及ぶ恐れがあります。多くの自治体でも「家庭ごみとして出せない」と明記され、自然昇華しきってから処分するよう指定されています。
地球温暖化防止の観点から、ガスの急速排出を避けるため、気化を遅らせて少量ずつ処理するエコ的配慮を考えながら処分をしましょう。
ドライアイスは安全に処理するには、屋外の風通しが良い場所や換気された室内で発泡スチロールなど通気性ある容器に入れ、自然昇華させるのが基本です。急いで気化させたいときは、水を張った広口の容器に少しずつ投入しながら処理しますが、この場合も換気を徹底し、二酸化炭素が充満しないよう配慮が必要です。
また、屋内処理時は二酸化炭素の比重(空気より1.5倍重い)を踏まえ、窓を低めに開け、床面近くに換気経路を作ることで酸欠リスクを軽減できます。
ドライアイスは極低温(-78.5℃)であるため、シンクやトイレの配管に直接接触すると急激な温度差で金属や塩化ビニルが収縮し、ひび割れや破裂を引き起こす可能性があります。
また、排水トラップに二酸化炭素が滞留するとガス圧上昇や酸欠の発生源となるため、絶対に避けるべき処分法です。少量であっても、耐熱仕様の金属バットをシンクに敷き、その上で自然気化させるなどの配慮をすれば安全マージンが高まりますが、基本的には屋外処理がおすすめといえるでしょう。
ドライアイスは取り扱いを誤ると重大な事故につながる危険物です。ここでは特に注意すべきポイントについて解説します。
ドライアイスは昇華により体積が約750倍に増加し、たとえば1 kgで約0.5 m³の二酸化炭素が発生します。このガス膨張により、ペットボトルや缶のような密閉環境では70kg以上の内圧がかかり、容器が破裂し破片が飛び散る重大事故が多数報告されています。ドライアイスを使ったロケット遊びなどでも爆発事故が起きており、非常に危険なため、取り扱いには注意が必要です。
また、容器のフタを開けようとした瞬間に破裂し大怪我につながるケースも発生しています。容器の厚さや材質に関わらず、密閉状態では安全性が担保されないため、絶対に避けるべきです。
ドライアイスは表面温度-78.5℃であり、数秒で凍傷を引き起こすほど極低温です。消費者庁のデータでは、家庭で素手で触れたことによる凍傷事故が複数報告されており、水ぶくれや組織壊死に至った例もあります。取り扱いには乾いた厚手の耐寒手袋やトングを必ず使用し、素手や濡れた手袋で直接触らないようにしましょう。
また、冷却効果を求めるなどの実験目的でも、必ず手袋と眼の保護具を併用してください。
子どもやペットが誤って近寄ると、凍傷や誤飲、破片による怪我のリスクがあります。小さな存在はドライアイスを氷と間違えやすく、自宅での事故が多発しています。
取り扱い時は目の届かない場所に置き、バリケードやロープで区切るなどしてアクセスを防いでください。換気をしながら処理が完了するまで絶対に目を離さないことも重要です。ペットがいる場合は別室に隔離するのがより安全です。
ドライアイスが多量に残っている場合は、屋外や適切な容器を使って時間をかけて気化させる方法が安全です。また、一部は再利用も可能で、無駄を減らす工夫ができます。
風通しの良いベランダや庭などにドライアイスを置くことで、二酸化炭素は自然に拡散され、安全に気化させることができます。ただし、直射日光の下や狭いスペースでは急速な気化が起きるため、直射日光の当たらない安定した場所に置くのが望ましいです。
また、雨に触れると白い煙が一段と増えることで、火災と勘違いされるリスクや、小さな隙間にたまった水が蒸発源周辺にシミを作る可能性があります。また白煙は蚊を誘引することがあり、夏場の処理では虫除け対策も検討すると安全です。処理時間中は子どもやペットの立ち入りを防ぎ、バリアや注意喚起のサインを設置してください。
発泡スチロール箱や厚手の段ボール箱を使って、ドライアイスを覆って置くと、自然に気化を進めつつ触れにくく管理がしやすくなります。
発泡スチロールは保冷性が高く、気化をゆるやかにし安全性も向上します。段ボールは通気性があり、かつ軽量で手軽です。箱を密閉するとガス圧が上昇するリスクがあるため、必ず蓋を開けるか換気用の小さな穴を設けてください。さらに、箱内部に古布を敷いて冷凝水の吸収を促すことで湿気の影響を軽減できます。
ドライアイスは、購入後24時間以内で十分な冷却効果を維持できます。特に、冷凍食品の配送やキャンプ、アウトドア用途では、有効活用できる場合があります。ただし時間が経つほど昇華により体積が減少するため、再利用は速やかに行うことが大切です。
ドライアイスの断片や細かい粒は冷却面積が増えるため保冷効率が高い一方、扱いも難しくなるので安全対策を徹底してください。保冷性能を長持ちさせたいときは、ドライアイス単独よりも水や保冷材との併用がおすすめです。
自治体ごとにドライアイスの扱いは異なるため、公式情報やアプリなどで確認したうえで適切に処理することが求められます。
多くの自治体ではドライアイスを可燃・不燃ごみとして回収しません。これは二酸化炭素の膨張とガス発生によるリスクを避けるためで、家庭ごみのルールに明記されている場合もあります。該当自治体では自然気化後に残存物(箱やトレイ)を分別するよう指導されています。
最新情報は自治体の公式ウェブサイト、または指定のごみ分別アプリで「ドライアイス」「処理方法」で検索するのが確実です。処理可否や廃棄手順を記載している自治体が増えており、迷う前にまずチェックすることが重要です。
判断に迷う場合は、ドライアイスの購入元・配達元や自治体の廃棄物処理担当窓口に相談すると、引き取りや安全な処理方法の案内を受けられることがあります。メーカーや保冷ボックス業者、廃棄物処理業者に問い合わせてみましょう。
誤った処分方法は重大な事故につながる恐れがあります。ここでは、代表的なNG処理とその理由を日本の信頼できるサイトをもとに解説します。
ドライアイスは昇華によって体積が約750倍に膨張するため、密閉してしまうと容器内部に高圧が発生し、破裂事故を起こす可能性があります。特にペットボトルやビニール袋に密封すると一瞬で破裂するリスクが高く、非常に危険です。
ドライアイスは−79℃という極低温であり、素手で扱うと数秒で凍傷を発症する恐れがあります。皮膚細胞が瞬時に氷結して組織損傷を起こすため、必ず厚手の耐寒手袋やトングなどを使用する必要があります。
ドライアイスをシンクやトイレの排水口に流すと、急激な温度差による配管の破裂やひび割れが起きやすく、塩化ビニル製のパイプにもダメージを与えます。また、ガス圧が一気に上昇して配管内で事故を誘発する可能性もあるため、絶対に避けるべき処分方法です。
ドライアイスにお湯や熱源を使うと、温度差が約180℃にもなるため、急激に大量の二酸化炭素が発生します。このとき、白煙とともにお湯や破片が飛び散り、酸欠や火傷のリスクが高まり大変危険です。また、狭い室内では気化ガスが充満しやすいため、絶対に使用しないようにしましょう。
ドライアイスの正しい処理方法を知るうえで、疑問を感じやすいポイントについて、ネット上の信頼情報をもとに分かりやすく解説します。
ドライアイスを水に入れて処理するのは問題ない?
ドライアイスを水を張った容器に入れると、白い煙を出しながら効率よく気化させられます。水中での処理は自然気化より早く終わるため、急いでいるときに有効です。ただし気化で発生する二酸化炭素が充満しないよう、必ず換気を徹底してください。
お湯をかけたり大量に水に入れることでドライアイスが急激に気化すると、二酸化炭素が一気に発生して酸欠や圧力上昇の恐れがあります。そのため、一度に大量の処理は避け、少量ずつゆっくりと行うことが重要です。
家庭用冷凍庫は約−18℃前後で、ドライアイスの温度(−78℃)には及びません。そのため、冷凍庫では保存できず、むしろ気化が進んでしまいます。冷凍庫内での長期保管は向きません。
ドライアイスと一緒に付属していた発泡スチロールや保冷剤は、ドライアイスが完全に昇華した後、自治体の通常のごみ分別ルールに従って処分できます。発泡スチロールは可燃ごみやプラスチックごみに分別されることが多く、各自治体の指示に従ってください。
家庭での少量処理は屋外や換気の良い場所で自然気化させるのが安全です。ただし大量の場合、保冷箱や発泡スチロールなどの付属品の処分が手間になる場合があります。そのようなときは専門サービスの活用がおすすめです。片付けせいり堂では大量処分にも対応し、安全に処理するためのサポートが可能です。
ドライアイスの処分以外に、処分時に出た大量の発泡スチロールやその他ごみの処分依頼は、片付けせいり堂にご相談ください。